インターフェースを変えない勇気
まだ夏の盛りの頃,実家へ帰省していた時に祖母から「電話の調子が悪いから見てほしい」と言われた。
見てみると,子機が充電してもすぐに切れてしまうらしい。子機の電池は去年替えたばかりだったのでこれは充電器側に問題がありそう。とは言え,とっくの昔にディスコンになっている製品なので充電器を探すよりも新しく電話機を買った方がよいだろうということで,近くの量販店で一番シンプルなコードレス電話機をプレゼントしてあげたのだった。
喜んでくれたのは,その時だけ
新しいコードレスは,親機は充電器+留電再生くらいで通話機能は無し,ほとんどの操作は子機のコードレスで行うというものだった。以前の電話機は親機に通話を含むすべての機能があり,子機は話をするだけという使い方だった。
ところが祖母から留守録の削除方法がわからないと苦情が来てしまった。たぶん今までは親機に物理スイッチがあってそれを押せば削除できたんだろうけど,購入したコードレスは子機側でしか留守録削除ができなくなったようだ。
つまり役割が親機と子機で変わったことで,子機の物理的な制約(スイッチの数が減る)によって,インターフェースが変わり拒否反応を示してしまった訳だ。
自分の親くらいであれば,「それくらい覚えてよー」と言っても済んでしまうが,祖母くらいの年齢になるとできなかった記憶が固定化され嫌悪してしまうので,使い続けてもらうのは難しいだろーなーと思いつつも,基本的な操作方法を印刷しておけばよかったなと反省。
メーカーには
メーカの設計としては親機側に留守録ボタンがあるなら留守録削除ボタンも親機側につけてほしかった。
PCや携帯を持たない(持てない)高齢者層の人たちもコミュニケーションを欲するのは当然のことで,そのためのツールが未だにテレビと電話だけしかメジャーになっていないのが残念。
インターフェースを変えてなさそうに見えて新しいメディアが提案できれば受け入れくれるのだろうかとつらつら思うのでありました。
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