美崎薫「ライフログ入門」
ライフログの第一人者と言ってもいいであろう筆者によるライフログ入門書.
「記憶する住宅」などご自身の生活と情報を密接に結びつけて暮らしている筆者ならではの視点によるライフログが本書だ.
日記ではなく日誌を書き続け,日誌の中から情報をひもづけて行くという方法はデジタル化以前からはじめておられるようで,スタイルを貫き通している結果がいまのライフログに繋がっているのだと思う.
ただ筆者のライフスタイルを見ていると他者からみて情報に縛られてすぎているのではないかと思ってしまうが,それがスタイルとして定着している(定型化)のであれば,身を委ねられるという意味で楽なのかもしれない.
自分も去年ScanSnapを購入して紙のデジタル化をようやく始めたばかりではあるが,それもようやくEverNoteなどの入出力のツールや環境が整ったから重い腰をあげられただけであり,確か筆者のご自宅にお邪魔していた10年ほど前には既に紙をスキャンする事が定型化していたと記憶している.
本書はライフログをするにあたっての具体的な環境やツールの紹介がされているわけではない.筆者がどのように日誌をつけてきたか.そしてどんなことをつけていけばよいのかが紹介されている.ある意味本書が筆者のライフログそのものと言ってよいであろう.
読了後に筆者のライフログを読んでいる気分になってしまったが,それを自分自身のライフログへ転化させる起爆剤になればよいと感じた.
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