さだまさし「アントキノイノチ」
「元気ですかぁ!」
帯にも書かれている言葉の通り,タイトルにはプロレスラーの名前を想起させます.
そういえば,先日の三沢氏は残念だった……
21歳の杏平は、ある同級生の「悪意」をきっかけに、二度その男を殺しかけ、高校を3年で中退して以来、うまく他人とかかわることができなくなっていた。父親の口利きで、遺品整理業“CO‐OPERS”の見習い社員になった杏平の心は、亡くなった方とご遺族のため、汚れ仕事も厭わず汗を流す会社の先輩達、そして同い年の明るいゆきちゃんと過ごすことで、少しずつほぐれてゆく。けれど、ある日ゆきちゃんの壮絶な過去を知り…。
きっかけになったアノトキとCO-OPERSの今とを絡ませながら,進んでいくところはいままでにない筆力を感じます.メリハリが利いていてどうなっていくんだろうと思わせながらも,杏平の父の言葉が底辺で静かに染み渡っています.
ただ残念なのが,あの時と今が繋がり合ってから読終までが少しダレてしまった間が否めないところでしょうか.もう少し短くするか,父の言葉を入れても良いかと思いました.
重いテーマの中,杏平やゆきのひたむきな姿勢には心が救われる思いがします.
すがすがしい読了感はありませんが,自分の心と向き合える,そんな当たり前のことを問いかけることができる作品です.
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