美嘉「恋空」
書籍化の広告を新聞で知ったケータイ小説の本作品をせっかくなので携帯で読んでみることにした。
主人公である美嘉の高校から大学の恋愛を綴った小説というよりも独白日記と言った方がよいか。
ネットでは色んな意味で話題になっているが、確かに純粋に作品としてはとらえると取るに足らないものだ。未だに誤字はあるし、校正がなされていない。書籍化に辺り担当者は頭を抱えるのは容易に想像できる。内容としても、いわゆるネット小説にありがちなストーリーだ。
ノンフィクションとするとわからなくもない。女の子(とあえて書くが)の思考が余りに幼稚で短絡的な気もするが細かな描写には惹きつけるものはあるし、他人の日記を読んでいるように感じさせる。携帯でもかなりのボリュームだったが最後まで読み切れたのはそんなところもあると思う。
ただそれでも力量不足は否めない。話の展開に無理があるところがあるし、まるで複数人で書いてあるかのように、パートで作風が変ってるように感じる。あと最後に死んでしまったヒロの日記が後付けのように載せられる。あれなら美嘉とヒロの日記というか独白を交互に書いたほうが良かったと思う。
某掲示板にあったら間違いなく 釣り だろう。
映画ではどのような脚色になるのか、脚本家の力が試されると言ったら皮肉だろうか。
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