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2007.09.07

角田光代「あしたはうんと遠くへいこう」

初角田さんです。

泉は田舎の温泉町から東京に出てきた女の子。「今度こそ幸せになりたい」―そう願って恋愛しているだけなのに。なんでこんなに失敗ばかりするんだろ。アイルランドを自転車で旅したり、ニュー・エイジにはまったり、ストーカーに追い掛けられたり、子供を誘拐したり…。波瀾万丈な恋愛生活の果てに、泉は幸せな “あした”に辿り着くことができるのだろうか?新直木賞作家がはじめて描いた、“直球”恋愛小説。

イズは何故そこまで自分に正直に向いてしまうのだろうかと思う。
行動は確かに、男と薬に溺れてみたり、だめんずに捕まりまくっているわけで、何かこんなことをやってみたいという明確な目標もなく、すべてを受身で生きている。
何も見えてこないから流される日々。

「たすけて」
多分、彼女の主体はここなのだろうけど、これに気づくのを本能的に避けている。
人は孤独だということに悩み苦しむ時期にその答えを求めいろんな行動をしているのに、もかかわらず、まだその答えを見出せていないイズ。

どんなに悲惨な恋の結末を迎えても、今度こそ幸せになろうという気持ちを持つのはすごいのだけど、恋の始まりに際してその行方まで見えてしまうって言うのは悲しい。
自分の可能性というかできる範囲が見えているのなら、そこからもう一歩外へ踏み込めるのではないだろうか。
うんと遠くでなくて、あともう一歩遠くへ行くのが大事なのではと思う読了感でした。

あしたはうんと遠くへいこう (角川文庫) あしたはうんと遠くへいこう (角川文庫)
角田 光代

角川書店  2005-02
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