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2006年11月の14件の投稿

2006/11/30

池波正太郎「鬼平犯科帳24 特別長編 誘拐」

鬼平、最終章です。
とは言っても、特別長編 誘拐は三篇が公開されたところで、作者逝去のため未完の作品になっています。

特に平蔵の腹違いの妹であるお園の活躍が著しく、今後彼女が平蔵と一緒にどのように立ち回るのかとても楽しみ感じる作品であるだけに非常に悔やまれます。
シリーズを通して感じることはだんだんと平蔵の所作に道理が感じられところです。
盗みの三か条という言葉があちこちに出てきます。悪は悪なりの義というものを貫こうという意志だと思うのですが、貫くための忍耐や誇りというものを盗賊がたはあきらめはじめているのがほとんどなのにも関わらず、平蔵とその部下達は結束してそれを守り通しています。これでは捕まってしまうのも無理はないでしょう。

またいつか読み返してテレビ放送とともに楽しんでみようと思います。

鬼平犯科帳〈24〉特別長篇 誘拐 鬼平犯科帳〈24〉特別長篇 誘拐
池波 正太郎

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また今年も

また今年も

通勤途中の公園にある、銀杏です。
今年はキレイな色に紅葉してくれそうです

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2006/11/28

池波正太郎「鬼平犯科帳23 特別長編 炎の色」

「な、亡き父上の隠し子……」
さすがの長谷川平蔵が呆気にとられる、「隠し子」。平蔵の妹でありながら本人もその素性をしらないお園。彼女のいままでの経緯がわかる短編です。

またその後につづく、特別長編「炎の色」。
女密偵、おまさがしきりに気にする夜鴉がこの長編のモチーフの一つになっています。
ですが、このモチーフの結末はちょっとあっさり感があります。
タイトルの炎の色ですが、これは女盗賊である二代目荒神のお夏のことでしょう。
付け火が性癖であるお夏にかけてでしょうが、もう一つの性癖(?)にもかけているダブルネームを感じさせます。
この長編はお夏、おまさ、そして前編から登場のお園が自由に動きつつも、そのベースを支える鬼平の思慮深さを感じさせる作品です。

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2006/11/24

池波正太郎「鬼平犯科帳22 特別長編 迷路」

特別長編と銘打っているだけのボリュームがあります。

同心の秋本源蔵が半弓で射殺されるというショッキングな出来事からはじまるのですが、平蔵本人が襲われるだけなく、下僕や長男の辰蔵、さらには娘の嫁ぎ先まで狙われてしまいます。
平蔵への私怨がここまで募るのかと思わせ、怪事件に鬼の平蔵の苦悩が続きます。
さらに追い討ちをかけるように盗賊情報を入手しながらも、中々に人手が避けない状況のなか、意外な展開に....

二つの出来事が自然と一つの解決へと導くところは読み応えがあります。
また苦悩の末に平蔵か憔悴し、罷免は免れないと感じながらも己の進むべき道を歩む姿に感動を覚えます。

上司にしたい芸能人ランキングとかありますが、長谷川平蔵。彼がもっと世の中に知られることを望みたいです。

鬼平犯科帳〈22〉特別長篇 迷路鬼平犯科帳〈22〉特別長篇 迷路
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2006/11/16

コールドストーンアイスクリーム

コールドストーンアイスクリーム

いつも通るたびに行列ができていてパスしてたけど、いま覗いたら待ちゼロだったのでお買い上げ。

かなり空気が練り込まれてる感じで思ったよりもサッパリした感じ。

ミントを試食させてもらったけど、ここのは食べられそう

店員が歌唄ってるのもアメリカ流か

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2006/11/15

鉄板焼きハンバーグ「モンブラン」

鉄板焼きハンバーグ「モンブラン」

鉄板焼きハンバーグ「モンブラン」

浅草線本所吾妻橋すぐにあるお店です。
いつもはお弁当なのですが、今日から展示会の出展で誰もいないし、久しぶりにここのミート君に会いたかったので。
手作りハンバーグ+プロの焼き加減な感じで、優しい味を感じられるお店です

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2006/11/14

DeLonghi オイル・ラジエターヒーター D091549EF

今年の暖房はどうしようかと検討中。
特に今年は幼児がいるので、
・換気に気をつけなくてはいけない
・やけどに注意
・乾燥にも注意

などこれだけ注意事項が多いとオイルヒーターかな?となってしまいます。
そんなわけで、オイルヒータのメーカーとして有名なデロンギをチョイスしてみました。
新型Ⅹフィンは指も入りにくいですし、オススメか?

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ついでにアタッチメントのハンガーもよいですね

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池波正太郎「鬼平犯科帳21」

中断前に一度読んだとおもうのですが、レビューを書いていなかったので再読です。

始めの「泣き男」は「二度ある事は」で探索方から勘定方に戻されて腐っていた細川峯太郎が再び活躍して探索方にもどるお話。でもやはり未練ってあるものなのでしょうか。

「春の淡雪」は同心大島勇五郎が盗賊の片足へつっこんでしまうところを平蔵が探りをいれて制しようとしたのですが...

「討ち入り市兵衛」は盗賊同士の仇討ち。武士道じゃないけど盗人の道もやはり仁義があるのだとしみじみ思うのでした。

鬼平犯科帳〈21〉鬼平犯科帳〈21〉
池波 正太郎

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2006/11/13

夕景

夕景

雨が上がってから我が家からも富士山が良く見えるようになりました。

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2006/11/12

池波正太郎「鬼平犯科帳 20」

ちょっと中断していた鬼平ですが、再開です。

今号は7作品が入っていますが、盗賊が盗みに入ったり、捕り物シーンがありません。(たぶん)それゆえかテンポが始めの作品よりも速いです。こちらもどんどん読み進めてしまいます。

平蔵や密偵(いぬ)と呼ばれる元盗賊とのやり取りだけでなく、平蔵の配下である同心たちも活躍の中心になってきます。「おしま金三郎」では小柳安五郎。「二度ある事は」では細川峯太郎などです。峯太郎はちょっと憎めない存在です。
スカパーでも鬼平シリーズがやっていてドラマと平行しながらだと倍増してきます。

あとこの本というか「寺尾の治兵衛」は特別かもしれません。
平蔵が三十そこそこ(安永五年の春)のころに田沼意次の下屋敷で試合に出たのだが
「さようさ。そのとき審判をつとめられたのは無外流の名人・秋山小兵衛先生で、佐久間伊織の太刀筋を、無類のものと申されたわ」
「それにしても、秋山小兵衛先生は当代、まれに見る名人であったわ」
「何をおもわれたか、夜に隠れられてしまったので、その名は知る人ぞ知る」
「なれど、田沼様にはお目にかけられていたようじゃ。いまも生きておられたなら、ぜひとも一度、お目にかかりたいものだが...」
など、平蔵と秋山小兵衛との接点がでてくることろは、ファンなら垂涎のシーンかも知れまsん。


鬼平犯科帳〈20〉鬼平犯科帳〈20〉
池波 正太郎

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2006/11/11

新渡戸 稲造「武士道」

こんな小さい我が国ですが世界の多くの人が知っている。日本を紹介した書物は多いと思いますが、本書はその役割を大きく果たしていたのだと感じます。

本書は日本史や文学史などでも少し顔を覗かせていたので知っていましたが右寄りの話なんだろうと気に留めていませんでした。前に読んだ国家の品格で概要を知り急に興味がわいてきました。

新渡戸稲造が1899年に英文でBUSHIDO-The Soul of Japan-で発表し、世界的に大反響を巻き起こしたそうです。
800年近く封建社会を築いてきた中で武士道というものがどのように確立されてきたのかまた武士道を形成する徳-「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」-を西洋の騎士道やキリスト教の教えなどを比較して述べています。

驚くべきことは武士道の紹介・比較にあたり、古今東西の慣用句、詩、教えがキラ星のごとくちりばめられています。これらの言葉を綴っていくだけでも楽しめます。
知識人・国際人とはこうあるべきなのだろうと私はただただ唸りながら読み進めるだけでした。

今回は現代語新訳というものを読んだのでぜひ次回は原書対訳を読んでみたいです。

武士道、正義などと言う言葉が安っぽくメディアで使われている昨今ですが、武士道精神は身近なところで見えないようにあると思っています。

武士道 武士道
新渡戸 稲造 岬 龍一郎

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2006/11/07

十七夜

十七夜

立冬の夜に相応しくなりそうな、凛としたお月様を見ました。

そろそろ暖房器具の出番かな。

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2006/11/03

藤原正彦「国家の品格」

ベストセラーものは比較的避けているのですが、ようやく図書館から貸し出しができたので読みました。
バブルを過ぎて一層将来に不信感を持ち自信を失ってしまった最近の日本・日本人に渇を入れる書としてベストセラーになったのはうなずけます。

数学者らしくかなりストイックな美的センスや全般的に硬派な論調ではあります。公演での内容を文章に起こしているためか最後に「なんちゃって」的な冗談をいれているのは硬い論調を和らげる効果はありますがちょっとオヤジネタになっています。

同じ警告本として「古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家」とは受け入れ方が違うのは筆力の違いかと思います。

ただしやはり本書もすべて受け入れてしまうのはちょっと危険ではあります。本書の反論や反証されている方の内容も読みたいです。

また本書を読んで筆者が影響を受けたと述べている新渡戸稲造の「武士道」が気になりました。

国家の品格 国家の品格
藤原 正彦

新潮社  2005-11
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井形慶子「古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家」

読了はかなり前だったのですが、ちょっとまとめる時間がとれなかったもので...
本書は先月上京してきた母が持っていきたものでした。
中学時代にシャーロックホームズ物を読むようになってイギリスに憧れ的なものをもっていたり、妹がその影響かお隣のアイルランドで暮らしているなど欧州、特に英国には影響を受けてきた我が家のため母が持っていたのでしょう。

内容としてはタイトルの通りです。この手の警告本は生活スタイル全般に言えますが筆者はをテーマに選ばれて述べています。
タイトルを目にして購入された方はある程度タイトルの言葉を肯定的に捉えているつまり今の日本の家(社会)は便利だけど貧しいと感じているとは思うのです。
ですが本書を読んでくるとかなりいやーーな気分になります。つまり日本をけなしすぎていることです。
特に第1章「なぜ日本人はイギリスに憧れるのか」は一番いただけません。それ以外の章ではまだ納得する部分もあるのですが、この章の記述だけはあまりにもひどい。ここで溜飲を下げているので他の章ではトーンが落ちたのではないかと思うほどです。

確かに家を中心とした暮らしを見直そうという趣旨には賛成できます。今の日本で失ってしまったものをイギリスの片田舎に求めるのもいいでしょう。
それで住環境が豊かになった家は果たして本当の日本の家なのでしょうか?
筆者は本書の中でイギリスで家を購入するときは家の外観だけでなく、通りからみて周りに溶け込んでいるか確認するのだというエピソードがでていたのですが、ご自身が低予算でイギリスの古いコテージの家を建てたと述べているのですがこの家は周りの住環境とマッチしているのでしょうか?
紹介している内容は確かに事実ではあるとは思いますがそれが正しいのかということについてはかなり疑問を投げかけることがおおかったです。

古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家 古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家
井形 慶子

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