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2006.09.02

小川洋子「博士の愛した数式」

もうだいぶ前の本でしたが親友アキティ推薦の書。

交通事故で80分の記憶しかない数学者である「博士」と通いの家政婦である主人公、そして博士から「ルート」と名づけられた主人公の息子、それを見つめている博士の義姉のお話です。

80分の記憶しかない博士から紡ぎ出される数の美しさ、神秘的や言葉や現象は数学が嫌いな読者の中にはこんな風に教えてほしかったと思う人がいるでしょうし、私のように理系の人間からするとこんなゾクゾク感があったから算数が好きだったんだよなーなどと思いながら一気に読みました。

ですがこの書の根底にあるのは、博士がルート君に与える無償の愛と主人公が博士に想いを寄せている恋心、これに尽きるのではないでしょうか。

主人公は博士を恋愛対象に思ってないと述べていますが博士から出される素敵な数学の問題を必死に調べようとする様は数学の得意な彼に好かれようとする健気な女の子の様に見えます。

江夏と野球カード、ラストシーンなどちょっと無理のある構成感じられましたがゆったりと時が流れる博士の部屋の描写など筆者の作風を感じました。

映画化されている作品でもあるのでこちらも見てみたいです。

博士の愛した数式 博士の愛した数式
小川 洋子

新潮社  2003-08-28
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» 映画「博士の愛した数式」 [向日葵のひとり言]
博士の愛した数式角川エンタテインメントこのアイテムの詳細を見る 最近ちょっと疲れ気味だったので、頑張った自分を癒してあげようと、 映画「博士の愛した数式」を観て来ました。 平日の午前中の為か、ほぼ貸切状態。ゆったりと穏やかな時間を過ごせました{/face_zzz/} きっかり80分しか記憶の持たない博士、そしてシングルマザーの家政婦とその息子、 この3人が織り成す物語り。 物話は、成長し数学教師になった息子が... [続きを読む]

受信: 2006.09.02 21:50

» 博士の愛した数式 小川洋子 [かみさまの贈りもの~読書日記~]
数学博士の家で、家政婦として働く事になったシングルマザーと子供の心温まる物語。 80分を超えると、その時の記憶はなくなり、その上、何につけ数字を持ち出してくる博士。 この博士の特異な言動は、「痴呆」という言葉を置き換えて、著者は表現したかったのではないか...... [続きを読む]

受信: 2006.09.06 12:56

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