« TINETでカーネルライブラリを作成する場合 | トップページ | JENS ipPhoneサービス終了 »

2006.09.17

江國 香織 「神様のボート」

海に出るつもりでじゃなかった。

筆者があとがきに書いたアーサー・ランサムの小説のタイトルですが、まさしくそうなのでしょう。

主人公の草子とその娘である葉子がそれぞれお互いを見つめながら、パパを待つ物語です。草子は娘にパパのすばらしさを話しています。幼い頃の葉子はそのすばらしいパパを思い描いているのですが、年を重ねていくにつれて何も変わらないママへの苛立ちと苦悩がでてきます。

パパと別れて、幼い娘と二人っきりの暮らしを始めてから、トキが止まってしまったような草子とどんどん時間が流れていく葉子。
彼女らの溝はお互いわかってはいるのでしょうが見知らぬふりをしても段々深く広くなっていく感じがしてくるのが読んでいて悲しくなってきます。

こんな夢想みたいな恋愛をしてしまうのは現実には大変です。そしてとても重いです。
娘の葉子はだんだんその重さに耐えられなくなってきます。
ただそんな葉子もママから離れて始めてわかることもある。そして草子も神様のボートの行き着く先に到着するエンディング。

単なる恋愛小説だけでなく親子の心のゆれなどいろんな見方ができる作品だと思います。

神様のボート神様のボート
江國 香織

新潮社 1999-07
売り上げランキング : 362786

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

|

« TINETでカーネルライブラリを作成する場合 | トップページ | JENS ipPhoneサービス終了 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16921/11924213

この記事へのトラックバック一覧です: 江國 香織 「神様のボート」:

» 「神様のボート」 江國香織著 新潮文庫 [Nobody knows]
かつて、葉子は骨ごと熔けるような恋をした。 仕方のない事情で、少しの間離れなければならなくなり、恋人は「どこにいても君を探し出す。」と言い残して葉子の元を去って行った。それは葉子が25歳の時だった。まもなく、葉子はあの人との間に出来た子供、草子を産む。 これは、主人公葉子とその娘の草子の物語である。 恋人との再会を信じて疑わず、様々な土地を転々とする母に対して、あり得ないという気持ちと苛立ちを感じた。草子の方も、葉子の言動に対して、幼い頃は不思議に思わなかったことも(母葉子の視点では常にそ... [続きを読む]

受信: 2006.09.26 19:48

« TINETでカーネルライブラリを作成する場合 | トップページ | JENS ipPhoneサービス終了 »