ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」
出版されてからかなり遅くなりましたが読了しました。
マイナー好きのミーハーとしてはこの手のベストセラー本にはなるべく手を出さないでいたのですが、映画公開に伴ってTVでタイアップ番組を見ていて面白そうと思ったのと母が既に文庫を購入済だったのでせしめてきました。
スリル・ミステリー小説は久しぶりでした。最初のルーブルでのやりとりは焦らされてしまいますが展開が少しづつみえてくる感がよいです。
また場面ごとにそれぞれの登場人物を一人称にして書いているのでよけいにスピード感を感じさせます。謎解きでごっちゃになった読者を無視するかのような場面転換ですから。
中盤以降、謎が深まり先が見えない中をスピード感たっぷりで進んでいくのはとても楽しいのですが、「導師」が表にでてきてからはちょっと、え~って感じです。
もっと規模の大きな話だと思っていたんですが、なんだか広がりすぎた展開を強引にまとめるあまりにちょっとつまんない結果に感じられました。
#2つめのクリプテックスとか途中で答えわかったし...
エピローグがあったのは唯一のすくいかも。
荒俣さんの解説も読了後に読むとさらに「ダ・ヴィンチ・コード」を楽しめるのではないでしょうか。
この本を読まれる方は、事前に本書のバックグランドとなる知識があるとよいと思います。というかたぶん無いとよけいにわからないでしょうね。
テンプル騎士団、聖杯伝説、マグダラのマリア、最後の晩餐、フィボナッチ数列(ちょっとウソ(^^;)、象徴学(私は素養ありません)など。
本書を読もうと思った最大のきっかけはやはり3年前に実際にミラノで「最後の晩餐」を見たのが大きいかもしれません。鮮明に修復されていまして、イエスの隣の人はなんで同じ色の服を着ているのだろうとそのときは漠然と思っただけでしたが。
あと本書がブレイクしたのはネーミングの妙だと思います。「マグダラのマリアの血脈と聖杯伝説」だったらつまんないですよね。ここで誰もが知っているレオナルド・ダ・ヴィンチの名前をつけたのは素晴らしいの一言です。
最後に1つ。「モナ・リザ」は英語・独語圏での呼び方です。伊・仏語圏ではラ・ジョコンド。
ソニエールが表記したとしても[Monna Lisa]であって、[Mona Lisa]はいかがかと(笑)
いやそれも英語表記を規範としたシオン修道会のcodeなのかも...
PPS
ダン・ブラウンの天使と悪魔も買ってしまいました...
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